目標達成率が格段にアップする行動や習慣の作り方をお話したいと思います。ピアノ練習の習慣、勉強の習慣などにお役たてください。
行動や習慣化に役に立つ「if〜then」ルール
if〜thenルールとは心理学で大きな効果が実証された、目標設定の方法です。条件型目標設定とも呼ばれています。日本語にすると「もし〇〇になったら、△△する」という意味ですが、これを目標に組み込むだけで、実際に行動する確率が上がるんです。
if〜thenプランニングの設定はとても簡単です。行動目標の前に、条件を設定します。
例えば、「毎日ピアノの練習をする」という目標を立てたなら、
- 帰宅し、夕方好きなテレビ番組を1つ見終わったら(if)
- すぐに30分ピアノの練習をする(then)
というルールにできます。本当に条件を設定するだけですので、とても簡単です。
もう習慣付いている行動にくっつける
if〜thenルールは時間をルールにするよりは、もう習慣ついている行動にくっつける方が効果的です。ですから上記であげた例などは、毎日楽しみに見ているTVなど子供ならではの習慣化された行動にくっつてることでわかりやすくなります。もちろんおやつの後、夕飯の後などでもいいですね。if〜thenルールを行う上で必ず毎日やる「何か」とくっつけてください。
詳しくルールを決める
時間的なルールは、あまりとらわれない方がいいと前述しました。それは、子供に時間の管理は難しいからです。それよりは自分のした行動の後に「これ」をするんだなという認識の方が断然わかりやすいです。
ですからこの自分の行動が「何をするか」がわかるルールを保護者の方と一緒に決めることです。
例えば
「お風呂から出て8時には寝る」ではなく
「お風呂から出てパジャマを着てママにおやすみを言って電気を消して寝る」の方が子供は「8時」の制限よりも自分が何をするかがわかります。
実際レッスン室にも工夫があります
私のレッスン室にはレッスンを始める前までにすることを順に書き、壁に貼ってあります。まだ小さい子にとってレッスンバックを持っていざレッスンに来たものの、ただピアノの前で立ち尽くすなんてよくあることです。そんな子供に向かって「ではレッスンを始めます」なんて言ってもその子は一体何からしていいやら。
ですからレッスン室には・・・
1先生とご挨拶しましょう。
2帽子、上着は脱ぎましょう。
3手が汚れていたら、洗面所で洗って来ましょう。
4練習して来た楽譜のページを開いて準備しましょう。
レッスンが終わったら・・・
1ご褒美シールを貼りましょう。
2忘れ物がないか確認にて片付けをしましょう。
3帽子、上着を着ましょう。
4先生とご挨拶して、気をつけて帰りましょう。
と張り紙がしてあります。小さい子供達は1から順にゲーム感覚で行動します。しばらくすると張り紙を見なくても一人で順にこなしているのがわかります。
確実に行動に移せる
if〜then ルールは、とても効果的です。その答えは、人間の脳神経は「〇〇ならば△△を実行する」という命令に反応するようにできています。
このルールに添って事前にやることを決めておくことで、脳内で〇〇というきっかけが△△という行動に直接結びつきます。
逆に実行に移すきっかけを定めておかないと、実際にいつ取り組めばいいのか脳は認識できません。その結果、やりたいと思ってはいるけれど、なかなか実行に移せない……いつやればいいのかわからないという状況が続くことになりかねません。
つまり、if〜then ルールは、実行に移すタイミングを逃さず、確実に行動するように仕向けることができる点です。
すぐにできる簡単な手法ですが、大きな効果を感じることができると思います。ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。
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