先日、年長さんの女の子とのレッスンで、
とても胸がキュンとする出来事がありました。
その子から「目をつむって腕を出して、絶対目を開けちゃだめだよ!」
と言われたので、その通りにしました。
すると、私の片腕に折り紙で作ったピンクのハートのブレスレットを
そっとはめてくれたんです!
折り紙で作った小さなプレゼント。
とても可愛らしく、心が温かくなりました。
その生徒さんは、私にいつも「先生大好き!」と
笑顔で言ってくれて、レッスンの最後には、私をぎゅっと抱きしめてくれるんです。
レッスン中は、2人で大笑いしながら本当に楽しい時間を過ごしています。私も小さな生徒さんから大きな元気をもらっていることに感謝の気持ちでいっぱいです!
お母さん曰く、
「先生の前では、素を出しているようで、
幼稚園ではちょっとおりこうさんでいることが多いんです」
とのこと。
「素を出せる関係性」が育むもの
私は、この子が見せてくれる「素」をとても大切に思っています。
ピアノを学ぶ中で、音楽の表現力は大きなポイントですよね。
そしてその表現力の源となるのが「自分らしさ」だと私は考えています。
導入期は特に、楽譜を読んだり手指を動かしたりする技術的な部分に目が行きがちですが、
それ以上に大切なことは、
「音楽が楽しい」
「ピアノを弾くのがうれしい」と
感じてもらうことです。
そのためには、生徒さんが安心して
「素を出せる」環境作りが欠かせません。
もちろん、礼儀やけじめを教えることも必要です。
「先生と生徒」という関係性を
しっかり持つことが大切な場面も多々あります。
ただ、特に幼い生徒さんの場合、
「この先生の前では自分らしくいられる」という安心感が、音楽的な伸びしろを広げるきっかけになるのではないかと思うのです。
私に「先生大好き!」と言ってくれるこの年長さんが、
ピアノを弾く時にのびのびとした感情や、心からの表現を自然に出せるのは、
きっとこの「素を出せる」関係性が土台にあるからではないか、と感じます。
導入期の指導において心がけたいこと
導入期の指導では、
生徒さんとの関係性づくりが何よりも重要だと私は思っています。
特に幼い生徒さんにとって、
先生との信頼関係や安心感があることで、音楽への興味や楽しさが倍増します。
私が日頃心がけているのは以下の3つです
◆生徒の個性を尊重する
練習や進み具合がそれぞれ違うのは当たり前。
「この子らしさ」を見つけ、それを肯定するようにしています。
◆褒める・受け止めることを惜しまない
できたことをとにかくたくさん褒める。
そして、生徒さんの思いや言葉をしっかり受け止めることで、安心感を与えます。
◆音楽以外の部分も大切にする
レッスン中、ピアノ以外のおしゃべりも大事な時間だと考えています。
先日のエピソードのようなやりとりも、
その子が「音楽を習うこと=楽しい」と思えるきっかけになるのです。
導入期のレッスンがいかに大切かを感じています。
私自身、このような経験を通じて、ピアノ指導が単に音楽を教えるだけでなく、
生徒さんの自己表現や自信を育む場であると改めて感じました。
平田 みどり
コメント