子供の指の発達
ピアノを弾くには、10本全ての指をバラバラに細かく動かす必要がありますよね。それが、ピアノが脳の発達にも良い、などと言われる所以の一つでもあるのですが、ピアノをリズミカルに弾く「指使い」には、訓練が必要です。
そもそも、指が最初から上手に動かない原因というのは、指の神経がつながっているため、同時に動いてしまうことからです。また成長のグラフから分かるように6歳以下の子供達の指の発達はまだまだ未熟なことが分かります。
特にピアノにおいて最初に難しいと思う指使いは、中指、薬指、小指の3本指だと言われています。これらの3本指がうまく動いてくれないと、演奏者自身も、すごく歯がゆく感じることがありますよね。
片手ずつしっかり1音1音を弾きましょう
これらの指使いを、鍛えられるピアノの練習法があります。
それは音階練習です。音階練習とは、「ドレミファソラシド」の音を1つずつしっかりきちんと弾く運指の練習のことをいいます。
「ドレミファソラシド」を弾くだけなんて単純…と思いがちですが、単純とも思えるような基礎的な練習こそが、今後のピアノをマスターしていく上でとても重要です。
実際の練習方法ですが、まずは右手、次に左手、と片手ずつ「ドレミファソラシド」を弾く練習をしていきます。
この時に、指の形と指使いが正しいかどうかを確認して、正しい基本姿勢で音が出せるように習得します。弾いているうちにぶれてしまいがちな手首の高さなども正しいか確認して、片手ずつマスターできたら、今度は両手で「ドレミファソラシド」を弾く練習を行います。
教材としてはまさに「ハノン」ですね。
大人の方の初心者の方などはこのやり方はベストかなと思いますが、先ほど言いましたまだまだ手が未熟で小さい子供たちには「バーナム・ピアノ・テクニック」をお薦めします。この教本は導入編からありドの1音をしっかり弾くところから、ドレ、ドレミ・・・と音階が次第に広がっていきます。
基礎練習がピアノを上達できる最大のコツなのです!
弱い指は重点的にトレーニングを!
毎日、一生懸命ピアノの練習しているのに、なぜか同じところで間違える、難しい部分が弾けない場合には、指使いのトレーニングが行き届いていないことがあります。
子どもの指はもちろん、人間の指には、そもそも強い指と弱い指があります。親指や人差し指は強い力が入るのに、一方の薬指や小指は強い力は入りにくいですよね?
薬指や小指は弱い指の部類に入るので、ほかの指と同じような練習法だけでは、どうしても動きにくいことがあります。
実際に、ピアノを練習していて、いつも間違えてしまうという部分は、薬指や小指がもつれてしまっているというケースも多々あるようです。
動きやすい指と動きにくい指を、同様に満遍なくトレーニングしても、弱い指はいつまでも弱いままですよね。そういう場合は、意識して弱い指をトレーニングしておくことをおすすめします。
簡単なトレーニング法としては、あえて3、4、5番の指(中指、薬指、小指)で弾く量を増やして下さい。具体的に説明すると「ド、レ、ミ、ファ、ソ、ファ、ミ、ファ、ソ、ファ、ミ、レ、ド」です。弾きにくい指は意識して多く弾くように練習曲(ハノンやバーナム)をアレンジしてもいいですね。最初は動きにくくて歯がゆかった薬指や小指も、次第に動くようになってくるので、簡単ながら効果を楽しめる練習法でもあります。
多くのピアニストの方々が地道に行なってきた指の練習法で、効果がある事も証明されています。
成長に伴って必ず安定してくる
子どもは成長に伴って手の形が安定し、しっかりとした音が鳴らせるようになってきます。そういった時期になれば、「子供のためのハノン」などに移行し新たに指のトレーニング教材をレッスンに加えていくのもいいですね。
お子様ならではの手がふにゃふにゃしてしまう、上下にバタバタしてしまうといったお悩みも、発達の未熟さから出てしまうでもあります。
子どもの手の力が自然と付いてきた時に解決するケースも多々あるので、焦らずにお子様の成長を見守りながら、ピアノの練習を楽しんでくださいね。
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