リトミック、音楽のお話し

リトミック

 リトミックとは

リトミックとは確立された音楽教育法の1つです。今から100年以上前、スイスの音楽教育家・作曲家、「エミール・ジャック=ダルクローズ」によって創案された音楽教育法です。日本では既に明治時代に紹介され、山田耕筰も、ドイツ留学時にダルクローズのアトリエを訪れて、大きな刺激を受けたようです。その後、日本において、リトミックは音楽教育だけでなく、舞踏(ダンス)、演劇、幼児教育、障害児教育などでも、応用・指導されています。今ではリトミックは世界各国に紹介され、教育や音楽療法の分野で普及しています。

音は目に見えないエネルギーの集まりです。耳にしか聴こえませんがそこには意味やパワーが溢れているのです。リトミックでは見えない音を体で表現します。表現する時は広いスペースを使い、時間の経過とスペースのエネルギーを感じます。これを繰り返し表現することで音楽を体の芯から理解することができます。この目的を実現させるのがリトミックです。

リトミックは音楽教育法ですから、1つ1つに音を感じる課題があります。それは「リズム」「ビート」「音の高低」「ダイナミクス」「即時反応」「拍子」などなど多岐にわたります。それらを体で表現し理解します。

音楽は演奏、発声など実は体の筋肉を使って表現する活動であります。後述しますが、音楽はエネルギーでありそのエネルギーで筋肉を動かすことで音楽を体の芯から理解できます。音と筋肉(動き)がシンクロした時のなんともいえない快感は人間の持っている能力の1つです。

リトミックは演奏活動の前に、「自分自身」が「音」になってみる活動です。自身が体験した動きは、後の演奏に有効にはたらくことがよくわかります。それはピアノ指導している中で強く感じます。感性を持った活動は生き生きとしていて、何よりも楽しそうです。

音楽は体験した思いが加わることで、豊かな表現ができるというわけですね。

音楽の大切さ

私は音楽は人間に不可欠な欲求の1つだと思っています。

「音楽は贅沢品」といった意見を聞いたことがありますが、音楽は全ての人の中にあり、それは時に懐かしい音楽、癒してくれる音楽、楽しかった思い出を思い出させてくれる音楽など。音楽は全ての人の中にあり、自由でかけがえのない存在だと思っています。贅沢品ではなくなくてはならないものだと思っています。

リトミックでは、音楽を体の内面から感じ、湧き上がる自発的な活動をします。音楽を用いた教育法であるリトミックは内面から活動意欲を引き出してくれる素晴らしい方法です。

教育とは子供の自発性を引き出す方法でなければならないと思っています。音楽を指導する上で大切なことは、「表現したい」「もっと知りたい」「楽しい」と思えること。私はそれをリトミックという有効な音楽教育法を使って、お子様の可能性を広げたいと思っています。

平田  みどり

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